鹿沼秋まつりの振り返り

10月は3週続けてイベントに出店しました。
前回のブログで紹介した製品をメインに、写真を撮るフレーム屋として、です。
お客さま含め、ご一緒いただいた皆さまに心よりお礼申し上げます。

ご覧のとおり、とてもよいサービスができたとおもいます。

そしてもともとお祭りに苦手意識を持っていた僕は、年々お祭りが好きになっています。
大人になって住みはじめた土地でお囃子を始めたことと、ヒトとしての興味深さも強まっています。
最近サピエンス全史という本を読んで、ヒトの成り立ちと祭りに通じるものを感じるのです。

いわゆるヒトは250万年ぐらい前に誕生しました。
農耕の起源は1万年数千年前です。
そのころまではホモサピエンス以外の人類も存在していたらしく、人類の歴史で見るとホモサピエンスしかいない現在は歴史的には異常な状況ですね。
ホモサピエンスだけが生き残っている理由は諸説ありますが、その大きな要因のひとつにコミュニティの力があったらしいです。
祭りを通して、老若男女、年齢も仕事も趣味趣向も信仰も異なる「近所」という物理的に近くに住んでいるだけの関係性のヒトたちが一緒になって楽しむ。コミュニティの力を感じざるをえません。
そこには噂話もつきもので、噂話はコミュニティ内の情報をいち早く伝達します。
他愛もないこともあれば、危機やチャンスも。
現代でも噂話は光の早さで広がりますよね。
それに抵抗感を持つ人もいると思いますが、生き残るうえでとても重要なものでもあるのでしょう。
さらにホモサピエンスには虚構を信じる力があり、それがコミュニティの拡大に大きく影響したそうです。このあたりの話がとてもおもしろいので、興味があればぜひサピエンス全史を読んでみてください。

今回の僕は「仕事仲間」というコミュニティで参加したので毛色は異なりますが、これはこれで毎年集まる親戚集団のようで心地のよいものです。
仕事仲間は気が合わなければ付き合わないという選択もできますが、ご近所さんとはそう簡単にいかないところも面白さかなと思います。

なにはともあれ、お祭りがみんなにとって楽しい場であり続けてほしいと願っていますし、当店のサービスがそんな楽しみの一端を担える日を夢みてよりよくしていきたいと心から願っています。

木札にもな(り得)る杉製フォトフレーム

これまで鹿沼のすごい木工プロジェクトの事務局として秋まつりに出ていたのですが、今年ははじめて内田商店として出店します。
すごい木工のメンバーの白石物産さん、栃木ダボさんやいつもの製品(木んぎょすくいやお面、射的など)も出ます。
今年は高弁木工所さんや栃木デザインさんといった木工屋さんも出るので一層楽しみです。

そして当店の製品は、木札にもな(り得)る杉製フォトフレームです。

裏面は左から七宝、網目、麻の葉、立涌桜、青海波と縁起のいい和柄になっています。

イベント会場ではその場で写真を撮影し、その場でチェキフィルムに印刷します。
お祭りを背景に写真を撮って、思い出と一緒に写真をお持ち帰りください。
紐を通すとかわいい木札にもなり(え)ます。

付属の直径6mmのダボを使うと、逆さまにして自立するフレームになります。
穴が上の状態でチェキがぴったり収まる寸法なので、下の白い部分がちょっと出てしまうのもご愛嬌。
チェキのみ、フレームのみのご購入ももちろんOKです。

そして先日8月10日には益子夜市に出店してきました。
当日は僕自身が楽しくなってしまい、ことごとく写真の使用許可を取り忘れるという痛恨のミスがありました。

この浴衣美人のお客さまにはかろうじて帰りがけに声をかけ、使用許可をいただきました。
ほかにもよりよくするためのご意見や気付きもあったので、次回以降はよりよくなります。
(8月10日の益子夜市にご来店いただいたお客さま、どうもありがとうございました)

今後のイベント出店予定は以下のとおりです。
10月5日(土)雪峰祭@スノーピーク鹿沼
10月12日(土)-13日(日)鹿沼秋まつり@まちなか交流プラザ
10月20日(日)もくもくまつり@鹿沼市花木センター

鹿沼市内ばかりではありますが、それぞれほかの出店者さんも魅力的なものばかりなので、ぜひお越しください。

日光マウンテンランニングと七五三

11月12日(日)日光マウンテンランニングのミドル(約34km)に出走してきました。
日光東照宮をスタートし、気持ちの良いフカフカトレイル、霧降高原を駆け、キスゲ平の1445段の天空回廊を登って日光東照宮へ戻るルートです。
走るのが気持ち良すぎて、ゴールに近づくのがちょっとさみしいぐらいでした。
なにかちょっと目覚めてしまったような気分です。

そして翌週11月19日は日光で子供たちの七五三をしてきました。

カメラマン代を節約して自分たちでの撮影です。
カメラの腕はさておき、親だから撮れたであろう多くの写真が撮れたので結果的には満足です。
上の写真は今市の杉並木公園。高樹齢の杉並木をゆっくり眺められる神々しい公園です。
このあと東照宮、二荒山神社へ行き、外国の方にたくさん写真を撮ってもらいました。

日光の魅力を知ったような気になっていましたが、この2週間で大幅なアップデートがありました。
日光の深掘りにはまだまだ時間がかかりそうで楽しみです。

日光杉並木の勉強机

娘が保育園を卒園しました。
保育士さんたちは一生懸命子供たちと向き合ってくれて、園長先生はいつも素敵な言葉を子供たちや保護者に投げかけてくれるとても素敵な保育園でした。
卒園式で保護者の方が挨拶の中で「この保育園を選んだ当時の私を褒めてあげたい」と言っていて、僕もまったく同じ思いです。
お世話になった皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。

そんな娘も4月から小学生。下に4歳と0歳も控えています。
控えめサイズの我が家では、3人分の勉強机を置くのが難しく、ひねり出した解決策は「長い机を3人並んで使う」です。
最善案でしょうきっと。

テーブルの製造は栃木デザインさんにお願いしました。
普段は木製家具などを製造してますが、先代が銘木業をされていたこともあり、おもしろい木材がたくさんあります。
そのなかから日光杉並木の杉をご準備いただきました。

日光杉並木は世界最長の並木道としてギネスにも認定されています。
これらの杉は日光東照宮が所有していて、倒木などが稀に市場に出るんだそうです。
1625年から20年に渡って植えられたらしいので、樹齢300年以上はありそうですね。

ご提供いただいた材料はこちら。
普段みる杉の木目とは雰囲気がずいぶん異なります。

製材して

下塗り

木目に小宇宙を感じます。

幅約2.6mのデスクができました。
費用面ではまともな勉強机3台を買うより低く収まるし、子供たちが巣立ったあとも使い勝手がいいのでとても気に入っています。
勉強はさておき、大事に使ってほしいです。

鹿沼市役所の鹿沼城跡障子堀

9月3日(土)鹿沼市による「鹿沼城跡発掘調査現地説明会」に参加してきました。
前日9月2日に市役所でこのチラシを見かけ、興味をそそられて。

当日8時から現地で整理券が配布されるということで、3日(土)8時に6歳の娘と市役所に到着。
整理券番号17、18番と、まあまあ人が来るんだなあ、という印象です。
1時間今宮神社や周辺を散策したり、入口付近には発掘された器を見て過ごしました。

発掘された器は16世紀安土桃山時代のものだそうです。
安土桃山時代といえば、織田信長、豊臣秀吉、関ケ原の戦いのあった時代。
千利休を筆頭に、茶の湯や茶碗の熱もすごい時代だったことでしょう。
そのころの鹿沼市では、侘び寂びの文化はどのようなものだったのでしょうね。
今のようにリアルタイムでの流行を知る術はなく、京都で千利休が「これいいね」と言っても、その声が届くのに数日〜数週間かかるだろうし、口伝でありのままには伝わらないでしょうからいろいろ変わってしまうでしょうね。
そもそもその声が届いていたのかは疑問ですが。

鹿沼城跡で出た器は漆塗りの木製椀やかわらけだったようで、茶の湯系の器は見当たりませんでした。本丸の近くを掘ると、また違うタイプが出てくるのでしょうか。
今回展示されていた器はこのようなものです。

その後今回のメインイベント、障子堀の説明会に。

障子堀は長さ16m、幅8〜9m、深さ1〜1.8m。
堀の中には南北1本、東西3本の障壁が確認されています。
堀に水が張られると障壁は見えず(実際にはどうだったか不明)、敵兵は一人ずつ畝を歩いたり、段差でつまずくなど、侵入はとても困難なものになるそうです。
さらに堀底は粘土質で滑りやすく、壁面は赤土でポロポロし、そういったことでも防御力を高めていたんだとか。

こちらは旧庁舎の基礎の残り。当時まさか鹿沼城の障子堀に基礎を打ち込んでいるとは思いもしなかったでしょう。また水が湧いているらしく、吸い上げないとすぐに水が溜まってしまうそうです。

滑りそうな堀底。

このような堀は広範囲に広がっているらしく、もし掘れれば様々な発見があるのかもしれませんね。
でも現在はこの市役所を始め、野球場、病院、小学校、栃木県の庁舎などが建っていることもあり、少なくとも私が生きているうちにその全貌を見ることはないでしょう。
今回はとても貴重な体験をさせてもらいました。

あと帰り際に下野新聞に取材していただき、「こんなのが埋まっていたなんで驚きました。」とコメントしたところ、翌日の紙面に名前付きで掲載してもらいました。
もっと知的でウィットに富んだコメントをしたかったですが、これが精一杯です。